切ない…。
斎藤チャンプの王座陥落です。1Rは互角、もしくは徐々に斎藤選手に流れが来ているような感じ。2Rの初めに金的で中断。そこから斎藤選手が徐々にパンチを散らし始め、ボディなどにヒットし、ペースを掴んできているところで、牛久選手のヒザが斎藤選手の目元にあたり、出血からのドクターストップで2Rで敗北してしまいました。
KOできるような膝蹴りではなく、斎藤選手はすぐに体勢を整えていました。しかし、運悪く目元の薄い皮膚を切り裂き、ドクターストップが必要なほどの傷となってしまいました。運が悪いと言えば運が悪い。
ですが抜群なタイミングで膝を出した牛久選手はすごい。そしてちょうど目元を切り裂くようなところに当てる運。牛久選手、持ってる男です。
持ってる男、牛久絢太郎RIZINフェザー級新王者
牛久選手、持ってる男ですね。RIZIN初参戦でタイトルマッチ。そして数々の強敵に倒されなかった男、斎藤裕に膝蹴りをあてて勝利。この大舞台にのまれることなく勝つってすごいです。
試合後インタビューの3分あたりで膝蹴りを狙っていたと言っております。斎藤選手側はタックルを警戒しているだろうから、膝蹴りが有効だと考えていたとのこと。
フィニッシュとなったヒザ蹴りはあのタイミングでなぜ当たったのか。牛久は「僕の今までのスタイル的に、(斎藤は)自分がタックルにくるという警戒があったと思う。タックルを切るということは重心が下にいく。だから飛びヒザを狙って、重心が下の選手に上を狙うことで入るんじゃないかなと思いました」と、その理由を解説した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5a9175c6fb90904e50e8bac01b771e12397e120b
まぁ格闘技ではセオリー的な話なので、当然ながら斎藤選手も警戒していたはずです。
それでも絶妙なタイミングで膝蹴りを斎藤チャンプにぶち込んだ牛久新チャンプ、すごいです。まじで持ってる。
斎藤裕ファンとしては悔しい限りなのですが、勝負の世界ですからこういうこともあって当たり前。牛久選手、おめでとうございます。
そしてこれからの斎藤裕選手の活躍に期待です。混沌としたRIZINフェザー級。これはグランプリやるしかないっしょ!
1人フェザー級グランプリを制した斎藤裕選手ですから、もう一度やってくれるはず!みたい!そこで勝利する斎藤選手の姿がみたいぞーーー!!!
追記↓
斎藤選手のチャンネルから動画がアップされました。痛々しいお姿です…。
あと、石渡さんのライブ配信もありました↓
アーカイブが残らないのが残念です。
このライブ観ていまして、記憶に残ったところだけメモとして残しておきます↓
- 傷口は直視できないくらい深かったので、ドクターストップは正しい
- あの膝は、偶然当たったとは考えていない
- チームとしても本人(斎藤選手)としても膝を狙っていることは分かっていたので、なぜ膝が当たったのかをこれから考えていきたい
- 牛久選手サイドはプロの打撃のコーチの元、練習してきていたはず
- 牛久選手の土下座っぽい挨拶は無視していたのではなく、見えていなかった。というかあの時はチーム全員頭が真っ白だった。(表現は違うかもです)
「膝は偶然ではない」と考えているあたり、さすがですよね。この辺りを含め、さらに強くなる斎藤選手に期待です!
年末の試合を求められるのかもしれませんが、個人的にはゆっくり身体と精神を休ませてから試合に出場してもらいたいなぁと。
追記:斎藤選手の傷口がアップされておりました↓
膝の骨と、眉の骨ががっちゃんこしてしまったのですなー。痛そうー。
Full Fight | 斎藤裕 vs. 牛久絢太郎 / Yutaka Saito vs. Juntaro Ushiku – RIZIN.31
ライジンのチャンネルより、フルファイトがアップされましたねー。
1Rの終盤で、斎藤選手がフラッシュダウンなのか、スリップダウンをするシーンがあるじゃないですか。
あの時って、牛久選手のバッティングというか、バッティングフェイントみたいなのがあったと思うんですけど、あれっていいんですかね?疑問です。斎藤選手側としては、バッティングに気をつけているでしょうから、バッティングフェイントってめちゃくちゃ有効だと思うんですよね。

動画を止めながら見ても、「あれ?右フックをガードしながら、頭から突っ込んでね?」と思っちゃうわけです。こういうのってMMA的にありなのか気になったシーンでしたー。
ほかにも、1Rではこんなシーンもありました↓

バッティングフェイントってめちゃくちゃ有効じゃね?相手に詰めさせるのを防ぐ&相手がバッティングを避けたところにフックを合わせる、みたいな。(まぁアッパーとか膝蹴りに弱そうという欠点もありますけど)
で、牛久選手の膝蹴りでキレた目の上↓

痛そうー。なんでこんな状態で血が止まってるの?と、血の止まりの方が気になるくらいにパックリしてます。これは試合止められてもおかしくない。というか選手のことを考えると、試合を止めて当然っすね。ドクターさん、ナイスです。
にしても、牛久選手サイドは膝蹴りを本当に見事に当ててますよね。
1Rで距離感を掴んで、膝蹴りを当てやすいように反時計回りをさせる&テイクダウンのフェイントをかけて、斎藤選手が体をかがめるであろうことを予測して膝蹴りをぶち込む。素晴らしいです。
こうなってくると、斎藤選手が牛久選手のボディにいいのを何発か当てていましたが、これも斎藤選手が姿勢をかがめやすくさせるための作戦だったのではないかと思うほどです。
ちなみに1Rの最初の方でも牛久選手は膝蹴りをしています↓

このときは時計回りに動いている&姿勢もかがんでいないことから、膝蹴りが当たる気配はまったくありません。ただ、斎藤選手の左のパンチに合わせようとしていることがわかります。
この試合を通じて、斎藤選手が反時計回りに動いていたのはわずかでした。それを狙って、膝蹴りという大技をぶち当てて、カットさせる…マジですげぇ。作戦もすごいけど、それ以上に『もってる』男ですわ。牛久選手すごいっす。
これで26歳。こりゃあ日本のフェザー級は牛久選手がずっと出続けますなー。(華は萩原選手の方があるけどw)
斎藤選手が牛久選手に負けた理由【華がないが効いていた】
何度も斎藤選手と牛久選手の試合を見ていると、斎藤選手の『攻め急いだ感』が否めません。
1Rでパンチで優っていることが分かったので、KOしにいったと思うんです。1Rでは攻防どちらにも移動できるような重心でしたが、2Rでは前重心になっていることが多いです。これだと膝蹴りの反応に遅れてしまいますよね。
じゃあなぜ勝ち急いでKOしたかったのか?
- 大会のメインであること
- ポスター通りに『斎藤裕』のための大会であったこと
- 朝倉選手に「華がない」と言われてしまったこと
- 『華がない発言』に対して、「朝倉選手よりはおもしろい試合をしようと思う」と答えてしまったこと
>斎藤裕「タイトルマッチをやらせてくれ」【榊原CEO戸惑う】
ということが重なって、いつも以上にKOを狙いにいったのではないでしょうか。斎藤選手が意識しているのかどうかは分かりませんが、無意識的にはそうだったのだと思います。
KOを狙いに行かずに、後ろ重心でパンチを当てていけば、判定で勝利できたはずです。(たらればですけど)
やっぱり勝ち星を増やし続けるには、「塩試合でも勝てればいい」というようなメンタルタフネスさがいるんでしょうね。連勝街道をひた走る、メイウェザー選手や那須川天心選手はそうです。無理にKOを狙いにいきません。
朝倉未来選手もそうです。萩原戦を見れば分かる通り、徹底的に相手の弱いところで戦い、塩試合で勝利しました。
>朝倉未来に塩漬け判定で敗北した萩原京平がただの好青年だった件
斎藤選手も判定勝利を目指していれば、明らかに判定勝利できていたはずです(1R、2Rの攻防だけでしか判断してないですけど)。加えて、判定で負けていると分かっている牛久選手側からすると攻めざるを得ない状況を作れたので、カウンター狙いのKOができたかもしれません。
いやはや、本当に難しいです。
会場やメディアを湧かせることを選ぶのか、勝ち星に徹するのか、どちらがプロ格闘家として正しいのかなんて答えはありませんが、この勝負は斎藤選手に勝ってもらいたかったと思うばかりなのです。(斎藤選手の年齢的に。またコロナがおさまりつつあり、海外勢が入ってくる可能性が高まっているので、チャンピオンとして迎え撃って欲しかったという願いもあり。)
斎藤選手ロスはしばらく続きそうですー。
岡田遼選手のファイトレビュー動画もぜひ↓
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